ロビンズ・ネスト・ブログ
公立中学校でありながら、ユニークな教育方法が、教育関係者のみならず、様々な企業も注目する東京都千代田区立麹町中学校をご紹介します。
社会に通用する人材を中学の時から育成するという教育方針のもと、公立学校では難しいとされてきた学校教育に画期的な改革をもたらしています。
宿題なし!定期テストなし!それでも学力がアップする。。。。その秘密はどこに?
麹町中学校のオリジナル教育法についていくつか特徴的なことをご紹介します。
1)中間、期末テストを廃止
定期テストの代わりに1つ1つの単元の終わりにテストをやる。
一般的に行われている中間、期末テストは範囲が広く短期間に集中して行うので、どうしても一夜漬けで臨む生徒が多くなってしまう。
単元テストなら範囲が狭く実施時期もバラバラなので生徒の負担が少なくて済む。
2)単元テストで失敗しても再テストがOK
再テストの内容は一回目とほぼ同じなので勉強すれば点数を上げられる。
麹町中学校に入ってくる子達たちの多くは、受験に失敗して「自分へダメだ」と思っている。つまり人と比べて、自分はダメだと思っている。
しかし、麹町中学に入学すると、他人と比べていた子たちがだんだん変わってきて、「自分はありのままでいい」と感じてくるという。
誰からも否定されなくなる。
すると
自己開示ができる。
すると
挑戦ができるようになる。
「その環境を作る」のが学校では1番大切なことだと、麹町中学校では考えている。
3)再テストの点数が成績に反映される
自分の頑張り、努力がきちんと評価されることで、やる気を持続させることができる。
4)宿題は一切なし
宿題は何の役にも立たない。
例えば、既にわかっている漢字を何回も書く事に意味はない、時間の無駄である。
その時間を自分のやりたいこと、必要なことに使うべき。
子供達は、小学校から宿題を出され、自分に必要ないことをやらされてそれをこなす事が仕事だと教えられる。
現在 世の中では「働き方改革」で「いかに短時間で効率よく仕事をこなせるか」が問われているが 、
理不尽だと思っていても、自分に必要のない宿題をやらされ続けてきた子供に、大人の社会に出てから働き方改革が出来る訳がない。
麹町中学校では、各自が自分の「スケジュール帳」を持っていて、自分のやりたいこと・やるべきこと、例えば苦手な科目などに時間を使うことができるようになっている。
また、宿題の代わりに放課後学校で自習する子供達の為に、中学校は大学生の講師などをよんで、バックアップしている。
宿題は出さないが、「バックアップ体制はきちんと整っている」という事の様だ。
こんな麹町中学校を率い、教育改革を行っているのが写真の校長先生、工藤勇一先生だ。
麹町中学校の特徴的な行事の一つが「2年生対象の夏合宿,スキルアップ合宿」だ。
3日間かけて「対話の訓練」をする。
テーマは、「日本の未来を良くする方法」
子供達は、班ごとで話合い具体的なアイデアを練り上げる。
「対話を通して何かを成し遂げる、目標を達成する経験こそ、社会に出た時に必要だ」と工藤先生は考えている。
以下工藤先生の印象的な言葉を紹介します。
★ 仲良くないと解決しないのであれば、仲良くなれない人とは仕事ができない
★ 心の中で、上手くいかないと思う人はいっぱいいるが、物事を達成する為には何が目的で、みんながどうやって協力したらいいかを覚えければならない。
★ 目的がない行事や教育を積み重ねていく事は子供にとっては罪、大人が考えているいる以上に罪なこと。
★ 現在の日本の受験制度は、記憶力のいい子が大学に行ける仕組み。つまりいかに多くの情報をインプットして、解答用紙にアウトプットできるかが問われる選考制度。
★ しかしながらこの学力は大人になればそんなに重要ではないと皆が知っている。
なのになかなかこの制度は変わっていきませんね。。。。
★ 学力を上げるという事は「分かるもの」と「分からないもの」を明確にして「分からないものを分かるようにすること」
★ 子供達に必要なことは「テストの点数を上げること」ではなく、「分からないことを分かるようにする能力を身に付ける事」
私も以前のブログで書きましたが、子供の学習意欲を掻き立てるのは「分からないことが分かる」喜びを知る事だと思います。
子供達は、分からないから面白くないんです。「分かった!!!!」と言うときの子供たちの顔はいつも輝いています。
5)クラス担任制の廃止
麹町中学校にはクラス担任制がなく、教師全員が全体を担当するという。
担任が固定されていないから、子供たちはいろいろな先生に相談しやすいというメリットがある。
例えば部活に関しては~先生、進路については~先生、といった具合に子供達は自分たちが相談する内容によって、相談しやすい先生と話すことができる。
工藤先生曰はく
「学校は何のためにあるのか?」
学校は「世の中を生きていくために何が必要か」を学ぶ場所
つまり自分で考え自分で行動できる「自立」した人材を育てる場であるべき
実際の授業風景は?というと。。。
教科書を開いている子あり、タブレットを開く子あり、塾の宿題をしている子あり、と様々。
先生曰く「この45分で1つでも成長できる時間にしようと生徒に声をかけています」
塾の宿題をやるのも、その子の判断によりもの
まら校則についても麹町中学校はユニーク
学校には余計なルールは必要ない。世の中のルールと同じでいい。というのが麹町中学校の校則
また、いろいろな権限を生徒会や生徒に譲渡することで、自立した人材育成を目指す。
例えば、体育祭の協議内容の決定権を生徒に移譲するこどで、生徒たちみんなに当事者意識を持たせることができる。
だだ、ここで大切なのが「だだ生徒に権限を与えるだけではダメだ」という事。
無責任に権限だけを与えると、全員が自分の経験則や成功体験を持ち出しうまくいかない。
個人の立場を超えた「上位目標は何か?」を生徒全員が理解することで、目標を達成する為にはあらゆることを吟味できる組織に変わっていかなければならない。
「その過程を学ぶこと」ことこそが「学び」であり「自立」であるのでしょう。
例えばあなたのお子様が「料理の道に進みたい」と言ってきたときあなたなら何と言いますか?
工藤先生の助言は1つだそうです。
★「親が言ったことで進路を変えたら子供は一生後悔する」
★「子供が後悔しない生き方を支援するのが大事」
★「仕事を選ぶ」という事は自分の道から選択肢を捨てること
何かを選ぶのだから、それは何かを捨てることになる。当然ですが親はそれを「選択肢が狭まる」と恐れる。
でも結局は1つしか選べないんですよね。
つまり何かを子供が選ぼうとするときは、他の選択肢を捨てているにほかなりません。もしその選択肢を間違えたとしても、また新しい選択肢を選べばいいのです。
人生とは選択の連続。
たとえ専門の世界でうまくいかなかったとしても違う道を選んだ時にもその能力は必ず生きてくるはずです。
高校のとき私は医者になりたいと思っていました。能力的な問題もあったのでしょうが、「女は結婚が遅れる」という理由で親に却下されました。
私は浪人してでも挑戦したかった。挑戦すらさせてくれなかった親に対して長いこと恨みを持っていました。また押し切れなかった自分の弱さも後悔しました。
でも、結果的には、現在この様な仕事に就いているわけです。
現在は私にとっては天職ともいえる仕事だと思っています。
あの時のあの決断も1つの選択だったのです。
選択間違えればやり直せばいい。
人生どう転ぶか分かりませんね。だから面白いのでしょう。
0才から大人までの福岡英会話スクール、英会話ロビンズ・ネスト
代表取締役 中野 浩美
六本松校:福岡市中央区梅光園
平尾校:福岡市中央区平尾
西新校:福岡市早良区藤崎
香椎校:福岡市東区香椎
春日校:春日市春日公園
筑紫野校:筑紫野市美しが丘南
定期テストの廃止。単元別テストを行うことでテストを分散できる
たんべげん
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